故障探求のススメ
case 3: アイドリング不安定
| 患者 | '76 BMW 1502 |
| 入庫日 | 2000/06/17 |
| 症状 | エンジン調整をしても2週間したら またアイドリングが不安定になる |
ドイツ車ですが、また診てしまいました。
5月の車検を含め4回くらい”アイドリングが不安定になる”ということで他社で調整してもらったが
2週間もしないうちにまた不安定になるとのこと。
”結論として、ガソリンタンク及びキャブレター)1のオーバーホールが必要です。”と言われたのですが・・
ということで入庫してきました。
![]() | 現象は常に出ていて普通に走れるけれど信号待ちなど停車中はアクセルを踏んでおかないとエンストしてしまうほど不安定である。 早速、CO/HCテスターで排気ガスを測ってみたところアイドリングでCO・0.3%、HC・1670ppm(!)と目がチカチカするほどの生ガス)2具合です。 調整した直後は調子がよいということなので基本点検)3は簡単に済ませとりあえず真っ黒けなスパークプラグを交換してみました。 すると、排気ガスは相変わらず”チカチカ”ですが、エンジンの調子は少しましなようです。 どうもプラグの掃除などの調整直後は調子がいいけどだんだんプラグがかぶって)4きて、2週間もするとアイドリングが不安定になるようです。 そこで、プラグがかぶってくる原因と思われるキャブレターの点検に入りました。 |
![]() | キャブレターは”SOLEX)5”というメーカーのものがついていました。 エアクリーナーを外してエンジンをかけてキャブレターを上から覗いてみると、いままで見たことがないくらいガソリンがドバドバと噴きだしています。 診なれている車種ではないのですがこれは異常だと思われます。 しかしここで不思議なのが”普通に走れる”ということです。 ”なぜ?”と思いながらドバドバと噴きだしているガソリンを見ていてあることに気がつきました。 ”噴きだしている”というよりも”すごい勢いで吸い出されている”という感じなのです。 (左の写真です。ピンぼけですいません。) |
アクセルペダルを少し踏み込んだときのガソリンの吸い出され方にとてもよく似ているのです。
そこで、アクセルペダルと連動しているスロットルバルブを少し閉じるように調整してみました。
スロットルバルブが開きすぎているだけならアイドリングでは調子が悪いが
普通に走行できるというのも納得がいくと思ったからです。。
アイドリング回転数を調整するバイパススクリューがおもいっきり”閉まって”いる状態で
アイドリングさせようと調整していた為、何度調整しても調子が悪くなっていたようです。
スロットルバルブがアイドリング時に閉じるようにして、アイドリング回転をバイパススクリュー、
CO/HCを2の調整スクリューで調整し、4日ほど試運転をして納車。
2週間後、オーナーの”調子いいです”という電話で修理完了となりました。
調整方法を知っておけばこんなに悩まなくてよかったんですけど・・・はずかしいかぎりです。
ちなみに古いアメリカ車にも”バイパススクリュー”で調整するタイプがあります。
キャブレター)1・・・・エンジンに空気とガソリンの混合気を送り込む装置。通は”キャブ”と略して言います。
目がチカチカするほどの生ガス)2・・・・HC(炭化水素)が多い排気ガスのこと。この車は調整後には350ppmまで落ちました。実験では900ppmを超えるとチカチカします。
基本点検)3・・・・エンジン不調の場合はエンジンオイルや冷却水の量、エアエレメント、プラグの汚れ具合、ガソリンの状態などを点検します。
かぶる)4・・・・自動車業界ではスパークプラグがガソリンやオイルで濡れて火花が飛びにくくなることを言います。噛みつくこととは違います。
SOLEX)5・・・・レースなどで使うスポーツタイプキャブレターで有名なメーカーです。
今回の教訓 ”スクリュー”を いっぱい閉めたの 誰ですか?(フォントサイズ-1)