故障探求のススメ


case 8: エンジン吹けあがり不良

患者 '92 GM キャデラック
入庫日 2001/08/16
症状 アクセルを踏んでもギクシャクして加速しない


最近になって、冷機、暖機に関係なくアクセルを踏み込むと
車がギクシャクして加速しない。
症状は日に日に悪くなる一方だが踏みつづけていて吹き上がってしまうと
何とか走れる状態になるとのこと。 

とりあえず、”Tech 1A”で自己診断を行ないましたが
異常コードの表示はなく、アイドリング時のデーターにも異常はないようです。
そのまま試運転してデーターを見ていると、アクセルチョイ踏みの加速で
MAP)1の数値がフル加速状態となり、ギクシャクが始まります。
どうもアクセル開度とMAPの関係がうまくいってない為の不具合のようです。


 車は、最近流行りのローダウン加工がしてあってかなり車高が低い車です。
 さらに流行りの(?)メンテナンス不足車で10年近く経つのに消耗品の類はあまり交換されていないようです。
 ぱっと見から、そこらじゅうに不具合原因がありそうなのでオーナーの了解を得て、まずエンジン関係の消耗品である、スパークプラグ、プラグコード、フューエルフィルター、デストリビューターキャップ、ローターの交換を行ないました。



 案の定、スパークプラクは真っ黒け、デストリビュータとプラグコードはバラバラになっていました。(写真中央)
 フューエルフィルターのほうもエアーで吹きつけるとドロドロなスラッジがでてきました。
 しかし、すべてのパーツを交換しても不具合は一向に治る気配がありません。MAPの数値も相変わらずです。

さらにデーター取りのためバキュームゲージ)2をつないで試運転をしていたところ、
なぜか足元に水の入ったペットボトルが転がってきました。

(?)と思ってオーナーに聞いてみたところ
「後座席の足元のカーペットが熱を持って焼けてしまうので、
熱くなったら水をかけて冷ましてるんですよ。」
と、さらに(?)な解答が帰ってきました。

(水をかけながら乗ってる?!)
たしかに足元のカーペットはすごく熱くなっていて、下廻りを覗いてみると
マフラー手前のパイプに大穴が開いていてフロアーに排気ガスがかかっています。

(うわ〜こりゃひどい。そのうち燃えちゃいそう)
と思いながら(!)ときました。
そうです。マフラー手前にこんな大穴が開いているのに
試運転では全然気付かないくらい静かなのです。


 ということは、マフラー手前までのどこかにマフラーの替わりになるもの、言い換えれば詰まっているところがあるということです。
 さっそく一番怪しい触媒)3を外してみたところ(クリックで拡大)中身がバラバラになってでてきました。
 荒業ですが、そのままの状態で爆音のまま試運転したところ不具合のギクシャク感はなくなりMAPの数値も正常となりました。
 フン詰まり)4のため食事がのどを通らないという状態だったのです。

メンテナンス不良による触媒の加熱とローダウンによる衝撃、路面との干渉で
触媒が詰まってしまっての不具合だったようです。
加速時にアクセルを踏み込んでも排気が抜けないため、
排気圧力が上がりすぎて空気を吸い込めずMAPの数値に異常がでていたようです。


触媒と大穴の開いた排気パイプの交換で修理完了となりました。


 

MAP)1・・・・・Manifold Absolute Pressureの略。エンジンがどれだけ空気を吸っているかという吸入圧力のこと。
バキュームゲージ)2・・・・・・インテークマニホールド(吸気管)内の圧力を見る計器。エンジン不具合時や燃調をとるときなどに役立ちます。
触媒)3・・・・・排気ガス中のCO(一酸化炭素)HC(炭化水素)NOx(窒素酸化物)を低減する装置。みなさん、ちゃんとつけてますか?
フン詰まり)4・・・・・すいません。きたない表現で。

今回の教訓   フン詰まり 人も車も 弱ります   


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