故障探求のススメ


case 2:  アイドルハンチング)1

患者 '89 VW Jetta
入庫日 2000/06/16
症状 エンジンが温まってからの再始動後
アイドリングが勝手に上下する。

Jジェトロ”と呼ばれるシステムのエンジン不調の修理の依頼である。
ドイツ車はテリトリー外なので基本的には受け付けていないのですが
知り合いの車ということでちょっとだけ診てみることにしました。
  
幸いなことに(?)不具合の再現性は非常によく、”誰がエンジンを空ぶかししてるんだ?”
と言いたくなるくらいブーンブーンと、うなってます。

 このシステムはアイドリングの回転数を水温やエンジン負荷に応じてエンジンコンピューターがIACバルブ)2というものを調整しています。
どうもそのバルブが
回転を上げよう、しまった上げ過ぎた、下げなくては、うゎ下げ過ぎだ、上げよう
という動きを繰り返しているようです。
 また、回転の上下はそのうち治まるのですが治まったあとエンジン回転数が1200RPM)3と基準の回転数(800〜1000RPM)より少し高いようです。
 そこでIACバルブのコネクターを外してみたところエンジン回転数が規定の回転まで落ちることが分かりました。
 また、コネクターを外したままだと現象が出ないということも発見しました。
(赤く囲んあるのがIACバルブです。)


エンジンのコンピューターに”回転を上げてくれよ”というセンサーからの要求の信号が入っているみたいです。


 Jジェトロの場合、そのような要求をする センサー類には水温センサー、エアコンスイッチ、スロットルスイッチ、があります。
 しかし、水温センサーだと燃調のほうの制御にも深くかかわっているので、マフラーから黒い煙を吐くなど他の不具合もでてくるのですが現車ではそのようなことはありません。(CO,HCテスターで確認済み)
 また、エアコンスイッチのトラブルだとしてもエアコンをかけることによって落ち込んだ回転を規定の回転まで上げるだけのものなので1200RPMまで上がってしまうことはありません。(Jジェトロの場合)
 そうなると残りはスロットルスイッチとなります。
写真はスロットルボディーの下側についているスロットルスイッチを点検しているところです。


案の定、エンジン暖気後に測定してみるとアクセルペダルは”踏んでいない”のに
スイッチの出力は”踏んでいる”とでています。
(通常、アクセルオフで”ON”アクセルオンで゛OFF゛とスイッチが切り替わります。)
このスイッチが嘘をついていた為、コンピューターがIACバルブをうまくコントロール出来なかったようです。

スロットルバルブ廻りのカーボンを清掃してアクセルワイヤーの点検、スイッチの調整と作業して修理完了となりました。


 

ハンチング)1・・・・エンジン回転が周期的に上下すること。(ブーンブーンという感じ。)ブルッ、ブルブルという感じとは違います。。
IACバルブ)2・・・・Idle Air Controlバルブの略。JジェトロではIdle Stab Valveとも言うみたいです。アイドリング時のエンジン回転を調整する部品です。
RPM)3・・・Revolution Par Minutesの略、エンジンが1分間に何回転しているかということ。


今回の教訓  スロットルスイッチだったんすか? ええ、こっちはフラフラになったっすよ。  (IACバルブ 談)


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