故障探求のススメ


case 10: SES点灯

患者 '95 フォード マスタング
入庫日 2002/7/17
症状 走行中、SESランプが点灯


走行中に突然SES(SERVICE ENGINE SOON)ランプが点灯した。
走行するのには支障がないが点灯したままで気持ち悪いので見てください
と、同業者からの依頼で入庫。
確かに、SESランプはおもいっきり点灯しているが、
”すぐにエンジンを修理しろ!”と言われるような筋合いはないようです。
とりあえず”Tech 1A”にFORD用カートリッジをいれて自己診断をしてみました。



 自己診断の結果は”カムポジションセンサー回路の不良”(P0340)となっています。
 内容からいくとエンジンの#1気筒が規定の上死点位置に来ると信号を出すセンサーの回路に不具合があるようです。
 さっそくテスターをつないで確認してみます。 



 センサーの出力端子にテスターをつないでみたところちょうどいい具合に不具合が出ているところのようです。(クリックで拡大)
 センサーの構造は”Hall Effect”タイプ)1でセンサー電源が12Vなので通常12V-0Vの波形が出るはずなのですが12V-10Vのおかしな波形となっています。
 これでまずセンサー自体が壊れていることでの不具合で間違いないでしょうけど確信を得るためある実験をしてみます。




 その実験とは、中央の赤丸部にあるカムポジションセンサーを強制的に冷やしてみるというものです。
 自動車の電子部品の故障には熱によるものが多いので冷やす事によって部品に変化を与えてみたらどうなるか見てみます。
 なお、今回はパーツクリーナーというものを使って冷やしてみましたが、可燃性ガスの為良い子の皆さんは危険ですのでマネしないでください。(あくまでHP用のネタの為の実験ですんで。)



 するとどうでしょう。今まで出ていなかった波形が現れました。(クリックで拡大)
 12V-0Vの正常波形です。これで間違いなくセンサー自体が熱の影響で壊れてしまっていた事が証明されました。
 このセンサーはエンジンスタート時に気筒判別して”かかり”をよくするのに使われるので、エンジンが冷えていたらきちんと動いていて、これと言った不具合がなかったようです。


対策品であろう少し形の違うセンサーに交換して修理完了となりました。

今回はいいタイミングで不具合が出ていて助かりましたが、
出ていない場合や、なかなかでない場合には問診をよく行い、
このように不具合の出る条件に合わせて冷やしたり温めたりする事も良くあります。
冷蔵庫やヘアドライヤー、カナヅチ)2霧吹き)3なんかも
電子部品の不具合にはよく使う道具です。
 

Hall Effect タイプ)1・・・・・磁石の磁力をさえぎる事によって発生する電気変化を信号に変える装置。解説してもまだ分かりづらい。
カナヅチ)2・・・・・振動で出る不具合や日曜大工、泳げない人を抽象的にあらわす時に使用。case 1のような不具合に最適。
霧吹き)3・・・・・点火コードなどの漏電点検やガーデニング、寝グセなおしに使用。

今回の教訓  ”頭を冷やせ!”とはよく言ったものですね。  


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