故障探求のススメ


case 6:  Road-Sensing Suspension)1(RSS)の不具合

患者 '93 キャデラック セビル
入庫日 2000/08/26
症状 走行するとインフォメーションディスプレイに
”SERVICE RIDE CONTROL”と出る。


  エンジンをかけた直後はいいが10mも走行すると
メーター内にあるインフォメーションディスプレイ)2
SERVICE RIDE CONTROL”とエラーメッセージが出る。
走行に特に異常は感じられないがメッセージがチカチカ光って
気になるので見てくださいとの依頼であった。


 キャデラックというだけあってGM社の当時の最新技術が盛り込まれている車で、エンジン、ミッションはもちろんABS,エアバック、足廻り、エアコンなんかの不具合があった場合故障を知らせる機能がついて、今回は”足廻りの調子が悪いんだけど・・・”と車が訴えているようです。
 この車は、道路状況や車両姿勢に応じて足廻りの固さや車高を自動で調節する機能がついていてそのシステムに何らかの電気的トラブルが発生しているようです。


 さっそく自己診断を行なってみます。
 年式では診断機(Tech 1A)が対応してないシステムなので”裏技”みたいな操作をして自己診断モードにします。
 方法はイグニッションキーをONにしてエアコン操作ボタンの”OFF”ボタンと”HOT”ボタンを同時に押すというものです。(左の写真をクリック)
 するとインフォメーションディスプレイがセグメントチェックを行なった後、故障コードを表示します。この方法だとエンジン、ミッションなどの他の自己診断も行なうのでそれらの故障コードも一緒に診ることが出来ます。(診断機不要!)


で、故障コードは”LF Position Senser Fault”(S060)と出てきました。
左前の車高センサー回路の不良のようです。
さらに自己診断モードから足廻りのデータモードに切り替えて
(これもエアコンの風量調整の”△”、”▽”ボタンで可能)診てみると
右前が-17%Travel)3(基準-20〜-10%)なのに対し左前-94%Travelというデーターで、
回路が断線しているようです。



 さらにどこが断線しているのかを絞り込む為にテスターを使う前に”消去法)4”を使って診てみます。
 前の車高センサーは左右同じ物のようなので左右を入れ替えてみます。(写真中央がセンサーです。)これで左右のデーターが入れ替われば”センサー”の不良ですし、そうでなければ”車両側の配線、コントロールユニット”となります。
結果は、故障コード”RF Position Senser Fault”、右前-94%Travel、左前-17%Travelとデーターが入れ替わりまた。
左前車高センサー”そのものの断線で間違いなさそうです。
 


念のため、テスターで単体点検(8Vの電源が必要)を行なったところ、
手動でセンサーを動かしてもシグナル線の数値に何も変化が無いので
センサー不良と判断して納車となりました。



 

Road-Sensing Suspension)1・・・・・車両の状態で減衰力、車高だけでなくハンドルを切るときの重さまでも調整してしまうカシコイ足廻り。
インフォメーションディスプレイ)2・・・・・・メーター部分についていて、故障箇所、エンジンオイルの交換時期などを表示してくれるもの。”余計なお世話!”の場合が多い。
Travel)3・・・・・すいません。何を言ってる単位なのかまったく分かりません。辞書では”旅行する。伝える。”となっていますが・・・
消去法)4・・・・・・故障箇所を絞り込むときによく使います。関係するシステムの正常箇所を除いた部分が異常個所という考え方です。手当たり次第に部品交換するのもこの方法になるのかな?


今回の教訓  裏技を 使って治そう キャデラック   


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