故障探求のススメ


case 7: ハンドルを切ると異音

患者 '92 フォード トーラス
入庫日 2000/11/26
症状 朝一番などのハンドル操作時に異音がする


朝一番にハンドルを切ったときや、ひどい凸凹道でフロントの足廻りから
”ギュッギュッ”と変な音がするということで入庫してきました。
スピードが出ているとしないのですが低速走行のときにひどい音が出ています。 


 実はこの車、1.5インチ)1(約4cm)程ローダウンがしてあってお客様に問診をしたところ車高を下げてから異音がするようになったとのこと。
 作業をしてもらった所で足廻りの再確認やマウント交換をしたけれども相変らずのようです。
 音的には金属がこすれているというよりもゴムがこすれている感じで下廻りを点検しようとリフトアップすると音が出なくなりました。



 下から見ててもこれといってこすれているような所は見当たらないのでフロントのストラットを外してみました。
 するとストラットマウントの内側とアッパーマウントがこすれているのを発見!(写真赤丸部分)
 しかし、ここをグリスアップして修理完了!というわけにはいきません。
 車高が下がっているというだけで、事故歴もなくマウントも新しいというのになぜこんなところがこすれてしまうのか原因を突き止めないとグリスが切れたらまた音がしてしまいます。




 何故だろうと考えながら何気なくフォードのサービスブリテン)2を見ていたところ有りました有りました。
 ”Low speed turning "Grunt/Poping" noise.”と題して低速時にフロントサスペンションのアッパーマウントとストラットマウントがこすれて、冷えているときにはゴムのこすれる音がするという場合の対処法がでていました。
 方法としては、左の写真のように(クリックで拡大)アッパーマウントにスペーサーをかます)3というものです。
 対策用スペーサーは本国では流通しているようなのですが国内にはなさそうだったんでイラストを参考にして作ってみました。
 

サービスブリテンを見て知ったのですがトーラスの足廻りというのは車高にはめちゃくちゃシビアで
車の仕様によってフロントで17種類、リヤはなんと37種類!ものスプリングの設定があって
実は今回の対策というのはスプリングがへたって車高が下がると音がするというものだったのです。
もちろん、4cmも下がったら音が出てあたりまえという訳なのです。


スペーサーでアッパーマウントとストラットマウントのクリアランスを調整、
アライメント点検、試運転と行い修理完了となりました。


 

インチ)1・・・・・アメリカで使われる寸法のこと。inchと表示。1インチ約2.54cmです。
サービスブリテン)2・・・・・・自動車メーカーがディーラーに対して対策や修理の方法を説明している極秘(?)文書。そんなものを何故、何気なく見れるかは企業秘密です。(笑)
かます)3・・・・・あいだに挟みいれること。ガツンと食らわすこととは違います。


今回の教訓  自動車修理は 情報が  (TIM風になんですけど・・・)  


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